白髪染めとおしゃれ染めは何が違う?美容師が使い分ける理由

白髪・エイジング

白髪が出てきたら、もうおしゃれ染めは使えないと思っていませんか?

実は、そんなことはないんです。

私は美容師として30年間、たくさんのお客様のカラーを担当してきましたが、白髪がある方にもおしゃれ染めをよく使っています。

白髪をしっかり隠したい方もいれば、明るい髪色を楽しみたい方もいらっしゃいます。

また、白髪を完全に染めるよりも、伸びてきたときに目立ちにくい方がいいという方も。

白髪があるから白髪染め、という単純な選び方ではないんですよね。

今回は、白髪染めとおしゃれ染めの違いや、私が美容室でどのように使い分けているのかをお話しします。

白髪染めとおしゃれ染め、何が違うの?

一般的なアルカリカラーの場合、白髪染めもおしゃれ染めも、髪の色を変える酸化染毛剤です。

大きな違いは、染料の配合や、どんな仕上がりを目指して作られているかということ。

白髪染めは、白髪と黒髪の色の差を小さくして、白髪をカバーしやすいように設計されています。

一方、おしゃれ染めは、髪の明るさや色味を楽しむことを重視したものが多いです。

例えば、ピンク系やアッシュ系など、色味を楽しみたい場合には、おしゃれ染めが選択肢になります。

でも、最近では白髪染めにも明るい色がありますし、おしゃれ染めでも白髪に色が入るものがあります。

だから、白髪染めとおしゃれ染めは、きっちり分けて考えなくてもいいんです。

私は、お客様がどんな髪色にしたいのかを聞いて、薬剤を選んでいます。

白髪があっても、おしゃれ染めだけで染めることがあります

私の美容室では、白髪があるお客様にもおしゃれ染めを使うことがよくあります。

例えば、明るめの髪色にしたい方や、色味を楽しみたい方。

そんな場合には、白髪染めとおしゃれ染めを混ぜて使うこともあります。

また、最近は色味がしっかり入るおしゃれ染めもあるので、7〜9レベル程度のおしゃれ染めだけで白髪を染めることもあります。

ただし、ここで知っておいてほしいことがあります。

おしゃれ染めで白髪に色が入ったとしても、白髪染めと同じようにしっかりカバーできるとは限りません。

私の施術経験では、おしゃれ染めの方が白髪部分の色落ちを早く感じるケースもあります。

でも、その分、伸びてきたときに染めた部分と新しく生えてきた白髪の境目が、くっきり見えにくいと感じる方もいらっしゃいます。

つまり、白髪をしっかり隠すことだけが正解ではないということ。

白髪が少し透けていても、全体の髪色がきれいなら気にならないという方もいるんです。

もちろん、白髪を一本も見せたくない方には向かない場合もあります。

大切なのは、どんな仕上がりが好きなのかということですね。

白髪染めでも明るい色にできます

お客様からよく聞くのが、

「白髪染めにしたら、暗い色しかできないんでしょ?」

という質問です。

実は、これもよくある誤解なんです。

白髪染めにも明るい色はあります。

さらに、おしゃれ染めと組み合わせることで、明るさや色味を調整することもできます。

ただし、明るくすればするほど、白髪のカバー力が弱くなる場合があります。

暗めのカラーならしっかり染まる白髪でも、明るめのカラーでは少し浮いて見えることがあるんです。

その仕上がりが気になる方もいれば、全然気にならない方もいらっしゃいます。

だから私は、明るさだけでなく、白髪をどのくらい染めたいのかを確認しています。

白髪をしっかり染めたいなら、カバー力を優先する。

明るさや色味を楽しみたいなら、白髪の染まり具合とのバランスを考える。

美容師は、その方が何を優先したいのかを考えて薬剤を選んでいるんです。

明るい白髪染めの白髪が生えてきた状態

暗く染めた白髪染めは、明るくするのが難しい

ここは、ぜひ知っておいてほしいところです。

長年、暗い白髪染めを続けてきた髪を、急に明るくしたいと言われることがあります。

でも、これがなかなか難しいんです。

暗く染めた髪には、以前のカラーの染料が残っていることがあります。

その状態で明るいおしゃれ染めを重ねても、希望どおりの明るさにならない場合があります。

大きく明るくしたいときには、ブリーチや脱染など、残った染料を取り除く施術が必要になることもあります。

ただし、そうした施術にはダメージのリスクがあります。

私は、どうしても明るくしたいという希望があれば、髪の状態を確認して相談します。

でも、無理に一度で明るくしなくてもいいと思っているんです。

例えば、根元の新しく伸びた部分を明るめに染めながら、以前染めた毛先は自然な退色を待つ方法もあります。

少しずつ時間をかけて、全体を明るい髪色に近づけていくんです。

もちろん、過去の染料がどの程度残るかは髪の状態やカラー履歴によって違うので、必ず希望の明るさになるとは限りません。

でも、これ以上髪を傷めたくない方には、そんな選択肢もあると思っています。

おしゃれ染めの方が髪に優しいというわけではありません

もう一つ、よくある誤解があります。

「白髪染めより、おしゃれ染めの方が髪に優しいんですよね?」

というものです。

でも、これは一概には言えません。

どちらもアルカリ性の酸化染毛剤であれば、髪を明るくする作用や酸化染料による染色など、共通する仕組みがあります。

髪への負担は、白髪染めかおしゃれ染めかという名前だけでは決まりません。

薬剤の種類や明るさ、髪の状態、これまでのカラー履歴などによって変わります。

また、どちらも使用する染料によってはアレルギーのリスクがあります。

「おしゃれ染めだから安心」ということでもないんです。

私は、髪にとって必要以上の負担をかけないことも大切にしています。

最後に|白髪があるから白髪染めとは限らない

白髪染めとおしゃれ染めには、それぞれ特徴があります。

でも、白髪が出てきたからといって、必ず白髪染めだけを使わなければいけないわけではありません。

白髪をしっかり隠したいのか。

明るい髪色を楽しみたいのか。

少し白髪が透けていても、伸びてきたときに境目が目立ちにくい方がいいのか。

人によって、希望は違います。

私は美容師として、白髪の量だけでなく、お客様がどんな髪色を楽しみたいのかを大切にしたいと思っています。

白髪染めにしたら、もう明るい色にはできない。

おしゃれ染めでは、絶対に白髪は染まらない。

そんなふうに決めつけなくても大丈夫です。

今の髪の状態と希望に合わせて、美容師と一緒にカラーを選んでみてくださいね。