部分ウィッグは毎日つけても大丈夫?元ウィッグ販売員が教えるお手入れと注意点

頭皮・薄毛

部分ウィッグは、毎日つけても大丈夫です。

ただし、毎日使うなら知っておいてほしいことがあります。

それは、ウィッグは一生ものではないということ。

私は以前、オーダーウィッグの会社で働いていました。

販売だけでなく、カットや調整、お客様が使い始めてからのアフターケアにも携わってきました。

その経験から、ウィッグは買うときよりも、買ってからの付き合い方が大切だと思っています。

今回は、毎日使う場合の注意点やお手入れ方法、長く自然に使うために知っておいてほしいことをお話しします。

高いウィッグでも一生ものではありません

ウィッグの寿命について説明するとき、私はよく洋服や下着に例えます。

例えば、毎日同じ靴下を履いていたらどうでしょう?

週に1回しか履かない靴下よりも、傷むのは早くなりますよね。

ウィッグも同じなんです。

毎日使えば、汗や皮脂で汚れやすくなり、洗う回数も増えます。

着脱を繰り返すことで、ネットや毛髪にも負担がかかります。

そして、値段が高いからといって、必ず長持ちするわけでもありません。

私が以前働いていた会社では、「スカーフより軽い」という特徴を持つ、60〜80万円ほどのオーダーウィッグを販売していました。

軽さや自然さ、つけ心地を重視した、とても繊細な作りのウィッグです。

でも、毎日使っているお客様のウィッグは、使い続けるうちにネットが破れたり、植えられた髪が抜けたりすることがありました。

すると、お客様から言われるんです。

「あんなに高いお金を払ったのに、2年しか使えないなんて!」

その気持ちも分かります。

でも、私はウィッグを洋服のように考えてほしいと思っています。

ジーンズのような丈夫な生地もあれば、シルクのように薄く繊細な生地もありますよね。

高級なシルクだから、絶対に破れないというわけではありません。

ウィッグも、自然さや軽さを優先することで、繊細な素材や構造が使われる場合があります。

だから私は、販売するときにウィッグは消耗するものだと説明することが大切だと思っていました。

もちろん、必ず2年で使えなくなるという意味ではありません。

素材や作り、使用頻度、お手入れによって状態は変わります。

毎日同じ場所にクリップを留めると、地毛が薄くなることも

部分ウィッグの多くは、クリップと呼ばれる小さなピンで地毛に固定します。

便利な方法ですが、注意したいのが地毛への負担です。

毎日同じ場所にクリップを留めていると、その部分の髪が繰り返し引っ張られることがあります。

私たちは当時、少し乱暴な言い方ですが「ピン禿げ」と呼んでいました。

クリップを留める部分の地毛が薄くなってしまうことがあるんです。

そうなると、今度はクリップがしっかり留まらなくなる場合もあります。

そのため、私は必要に応じてクリップの位置を変更したり、固定方法を見直したりしていました。

地毛がかなり少ない場合には、専用の両面テープで固定する方法を検討することもあります。

ただし、テープにも肌への刺激や、剥がすときの負担があるため、誰にでも使える方法ではありません。

最近はクリップを使わず、髪と絡ませるように固定するタイプもあります。

でも、クリップがないから地毛への負担もゼロ、とは言い切れません。

大切なのは、固定する場所に無理な力がかかっていないか、使い続けて地毛や頭皮に変化がないかを確認することです。

痛みや赤み、抜け毛が気になる場合は使用を中断し、必要に応じて皮膚科にも相談してください。

部分ウィッグは何回使ったら洗う?

私がお客様にお伝えしていた目安は、5〜10回ほど使ったら洗うというものでした。

もちろん、これは絶対の回数ではありません。

汗をたくさんかく季節と、あまり汗をかかない季節でも違います。

頭皮の皮脂の量も人それぞれです。

髪が薄くなっている部分では、頭皮の皮脂が直接ウィッグの内側につきやすくなる場合もあります。

汚れがたまってくると、ウィッグの髪がしっとり重たくなったり、べたついたりすることがあるんですよね。

これは人工毛でも人毛でも起こり得ます。

だから私は、回数だけでなく、実際の汚れ具合を見て洗ってほしいと思っています。

ウィッグの洗い方は、素材によって違います

ウィッグには、人毛100%のもの、人工毛100%のもの、人毛と人工毛を混ぜたものがあります。

私がオーダーウィッグを扱っていた頃には、人毛30%・人工毛70%という割合で作ることもありました。

素材が違えば、お手入れ方法も変わります。

私は以前、ウィッグは布製のネットと人工毛などで作られているため、衣類に近い感覚で洗浄を考えることがあり、薄めた洗濯洗剤や柔軟剤を使う方法も取り入れていました。

ただし、この方法はすべてのウィッグに適しているわけではありません。

特に一般の洗濯洗剤や柔軟剤での洗浄、長時間のつけ置きは、素材やネット、接着部分を傷める可能性があるため、購入元で認められていない場合はおすすめしません。

今、読者の方にまずおすすめしたいのは、購入したお店やメーカーが指定する洗い方です。

専用クリーナーがあるなら、それを使ってください。

また、人が使うシャンプーやトリートメントを、そのままウィッグにも使えばいいというわけではありません。

ただし、ウィッグ専用のトリートメントが用意されている製品もあります。

「トリートメントは全部ダメ」ということではなく、ウィッグに合ったものを使うことが大切なんです。

洗うときは、ゴシゴシ擦らないこと。

特にネットや植毛部分は繊細なので、取扱説明書に従って優しく洗いましょう。

洗った後もタオルでゴシゴシ拭かず、軽く押さえて水分を取ります。

そして、素材に合った方法でしっかり乾燥させてください。

私は専用スタンドがない場合、100円ショップなどで売っている料理用のボウルを逆さにして、ウィッグを置く方法をお客様に紹介することもありました。

ただし、通気性が悪くなる場合もあるので、ウィッグの内側まで乾くように注意が必要です。

ウィッグスタンドを使う方が乾かしやすい製品もあります。

高価なお手入れ用品を何でもそろえる必要はありませんが、長持ちさせるために必要なものは使ってほしいと思います。

ウィッグは購入後のカットと調整が大切

私は、ウィッグは購入して終わりではないと思っています。

むしろ、買ってからが大切なんです。

最初にカットして、実際に生活の中で使ってみると、

「もう少しここを短くしたい」

「このあたりの量を減らしたい」

「もう少し自然に馴染ませたい」

そんな希望が出てくることがあります。

でも、ウィッグは一度切ってしまったら、地毛のようには伸びてきません。

だから私は、最初から切りすぎないようにしています。

少し長めに残して、毛量も少しずつ調整する。

そして、実際に使っていただいてから、もう一度確認します。

早い方なら1か月ほど、時間をかける方なら半年ほど調整を繰り返すこともあります。

その人の地毛や生活に合わせて、少しずつ馴染ませていくんです。

私は、こうした購入後の調整こそ、自然に使い続けるために大切だと思っています。

ウィッグに完璧な自然さを求めすぎなくてもいい

最後に、私が元販売員として伝えたいことがあります。

それは、ウィッグは地毛そのものではないということです。

どれだけ自然に作られていても、自分の髪とまったく同じではありません。

夏は暑く感じることもありますし、毎日のお手入れだって必要です。

でも、だからウィッグが悪いという話ではないんです。

最近はファッションとしてウィッグを楽しむ方もいますよね。

私は、それくらいの気持ちで付き合ってもいいと思っています。

気になるつむじを少しカバーする。

トップにボリュームを出して、好きな髪型を楽しむ。

それだけでも、気持ちがずいぶん楽になる場合があります。

ウィッグは、地毛の代わりに完璧になるものではなく、自分の悩みを少し補ってくれるもの。

高価なウィッグにも、手頃なウィッグにも、それぞれメリットとデメリットがあります。

値段だけで決めるのではなく、自分に合ったものを選んでほしいと思います。

最後に|毎日使うなら、ウィッグとも上手に付き合おう

部分ウィッグは毎日使うこともできます。

ただし、毎日使えばそれだけ汚れや摩耗も増えますし、固定する地毛への負担にも気をつける必要があります。

ウィッグは一生ものではありません。

洋服と同じように、お手入れしながら大切に使っていくものです。

そして、購入後もカットや調整をしながら、自分に合った形にしていく。

私は約5年間、ウィッグの販売やアフターケアに携わってきたからこそ、購入するときの価格だけでなく、購入後の使いやすさまで考えて選んでほしいと思っています。

無理に完璧を目指さなくても大丈夫。

自分の髪とうまく馴染ませながら、毎日の髪型を楽しんでほしいですね。