白髪ぼかしで白髪染めをやめられる?美容師が感じる理想と現実

白髪・エイジング

最近、白髪ぼかしという言葉をよく聞くようになりました。

白髪染めを卒業できる、伸びてきた白髪が目立ちにくくなるなど、魅力的な話もありますよね。

でも、美容師として30年間お客様の髪を見てきた私は、白髪ぼかしを積極的におすすめしているわけではありません。

もちろん、白髪ぼかしが悪いということではないんです。

実際に白髪ぼかしを取り入れて、毎月の白髪染めから2〜3か月に一度のカラーに変わったお客様もいらっしゃいます。

ただ、すべての方が同じようになるわけではありません。

白髪ぼかしをすれば白髪が気にならなくなる、というほど簡単な話ではないんですよね。

今回は、白髪ぼかしの理想と現実について、私が美容室で感じていることをお話しします。

白髪ぼかしをしても、新しく生えてくる白髪はなくならない

白髪ぼかしには、ハイライトを入れたり、白髪を完全に染めずに薄く色を入れたりする方法があります。

特にハイライトは、明るい筋を作ることで白髪を周囲の髪に馴染ませ、目立ちにくく見せる技術です。

でも、私が気になるのはここなんです。

お客様が一番気にしている白髪って、どこの白髪でしょうか?

多くの場合、新しく根元から生えてきた白髪なんですよね。

ハイライトを入れても、新しく生えてくる髪の色そのものが変わるわけではありません。

もちろん、明るいハイライトと白髪が馴染むことで、根元の境目が目立ちにくくなる方もいらっしゃいます。

でも、白髪の量が少なく、黒髪が多い場合はどうでしょう。

黒髪の中に白髪が出てくると、やっぱり白い毛が目に入ることがあります。

ハイライトを入れたからといって、必ず気にならなくなるわけではないんです。

だから私は、白髪ぼかしという名前だけで、誰にでも同じ効果を期待してほしくないと思っています。

白髪の量が多い人ほど、ぼかしやすい場合もある

私の経験では、白髪が多い方の方が、白髪ぼかしが馴染みやすい場合があります。

例えば、白髪が黒髪より多いような方。

もともと白い部分が多いので、そこに色を薄く入れたり、明るいカラーを組み合わせたりすると、自然な仕上がりを作りやすいことがあるんです。

私自身は、白髪が50%以上あるような方には、白髪を生かしたデザインを提案しやすいと感じています。

ただし、これは私の施術経験からの目安で、50%を境に必ず成功するという意味ではありません。

白髪がどこに集中しているかによっても、見え方は変わります。

そして実際、お客様は自分の白髪がとても多いと思っていても、美容師から見ると意外と黒髪の方が多いこともあるんですよね。

自分で鏡を見ると、どうしても気になる白髪ばかり探してしまいますからね(笑)。

白髪が多い方のアンブレラカラー

毎月の白髪染めが2〜3か月に一度になったお客様も

私のお客様で、黒髪より白髪の方が多い方がいらっしゃいます。

その方には、アンブレラカラーをおすすめしました。

アンブレラカラーは、髪の表面と内側で色の違いを作るデザインカラーです。

そのお客様の場合は、表面の白髪を生かしながら色を楽しめるようにしました。

すると、それまで毎月していた白髪染めが、2〜3か月に一度のカラーになったんです。

今では、白髪を隠すことだけではなく、髪色を楽しんでいらっしゃいます。

こういうケースは、私も白髪ぼかしを取り入れて良かったと思います。

ただし、誰でも同じように来店間隔が延びるわけではありません。

白髪の量や生え方、希望する色、どこまで白髪が見えても気にならないかによって違います。

白髪を完全に隠すことから、白髪を生かして楽しむことへ。

そんな考え方に合う方には、白髪ぼかしも良い選択肢だと思っています。

白髪ぼかしを一度試して、やめるお客様も多い

白髪ぼかしを一度やってみたいというお客様もいらっしゃいます。

私は、髪の状態に問題がなく、ご本人が希望されるなら、試してみるのもいいと思っています。

やってみないと、ずっと気になりますもんね(笑)。

でも、私が担当してきたお客様では、一度試した後に続けなくなる方が多いんです。

理由の一つが、時間とお金です。

ハイライトを入れる場合は、ホイルワークなどの工程が必要になります。

ブリーチを使う場合は、髪への負担も考えなければいけません。

そして、明るくした髪は色落ちや根元の伸び方に合わせて、メンテナンスも必要になります。

もちろん、毎回ブリーチやハイライトを入れ直す必要があるわけではありません。

それでも、私のお客様の場合は、今までどおり根元だけを染める方が、時間や費用、髪への負担を抑えやすいケースも多いんです。

だから私は、無理に白髪ぼかしを続けることはおすすめしていません。

白髪を目立たなくするために始めたのに、髪が傷んだり、お手入れの負担が増えたりしては、別の悩みができてしまいますからね。

白髪染めをやめることと、カラーをやめることは違う

ここは、私が一番伝えたいところです。

白髪ぼかしをすれば、白髪染めをやめられる場合はあります。

でも、その代わりにおしゃれ染めを使ったり、ハイライトを入れたりするのであれば、カラーリング自体は続いていますよね。

つまり、

「白髪染めをやめる」ことと「髪を染めること自体をやめる」ことは別なんです。

白髪染めを使わずに、明るい髪色を楽しみたい。

そんな方には白髪ぼかしも選択肢になります。

でも、毎月美容室で染めることが負担だから、もうカラー自体をやめたい。

そう考えているのであれば、グレイヘアへ移行するという選択肢もあります。

もちろん、グレイヘアへの移行にも時間がかかりますし、伸ばしている途中の色の境目が気になることもあります。

だから、最初に確認したいんです。

白髪染めをやめたいのか。

それとも、カラーそのものをやめたいのか。

ここが違うだけで、選ぶ方法も変わってきます。

白髪染めをやめて1年

最後に|白髪ぼかしが正解とは限らない

私は、白髪ぼかしを否定しているわけではありません。

ハイライトを入れたデザインカラーは素敵ですし、白髪を生かして明るい髪色を楽しむこともできます。

実際に、毎月の白髪染めから解放されて、カラーを楽しめるようになったお客様もいらっしゃいます。

でも、白髪ぼかしがすべての方に合うわけではありません。

白髪の量が少ない方は、思ったほどぼかせないこともあります。

また、時間や費用、髪への負担が増える場合もあります。

私は、ただ流行っているからという理由でおすすめすることはありません。

白髪を隠したいのか、白髪を生かしたいのか、それともカラー自体をやめたいのか。

まずは、そこを考えてほしいと思っています。

毎月のリタッチが一番扱いやすい方もいれば、白髪ぼかしが合う方もいる。

どちらが正解ということではないんです。

自分の白髪の量や希望する髪色、これからのお手入れまで考えて、無理のない方法を選んでほしいですね。