部分ウィッグは恥ずかしい?美容師が試着をおすすめする理由

頭皮・薄毛

薄毛やトップのボリュームで悩まれているお客様とお話ししていると、

「ウィッグって、なんだか抵抗があるんですよね」

こう言われることがあります。

実は、ウィッグに興味があっても試着するまでのハードルが高いという方がとても多いんです。

まず、自分が薄毛を気にしていることを誰かに話さなければいけない。

デパートや商業施設にあるウィッグサロンは、一度入ったら買わされそうで怖い。

かといって、美容室で相談してもウィッグに詳しい美容師がいない。

そんなお話をよく聞きます。

私は以前、CMでもおなじみのウィッグメーカーで美容師として勤務していました。

そこでウィッグの知識や技術を学び、現在もお客様のウィッグの相談やカット、調整を行っています。

そんな私が、なぜ購入する前にまず試着してほしいと思っているのか。

実際のお客様の経験を交えながらお話しします。

ウィッグを買ったのに使えない!そんな失敗をする人も

先日、新規のお客様が、

「美容室でおすすめされて買ったウィッグを、自分の髪に合うようにカットしてほしい」

とご来店されました。

実際に見せていただいたのですが、私は困ってしまいました。

そのお客様はロングヘアなのに、購入されたウィッグは髪が短い。

しかも、ウィッグ自体の大きさも小さく、その方の髪型には合っていなかったんです。

カットでなんとかできる状態ではありませんでした。

お値段は2万円くらい。

ウィッグとしては比較的手頃な価格かもしれません。

でも、自分の髪型に合わず、使えないのであれば、いくら安くても意味がないんです。

そこで、違うウィッグをいくつか試着していただき、長さや大きさの違いを説明しました。

すると、お客様から、

「すぐ買わずに、いろんなウィッグを試せたら無駄にならなかったのに……」

と言われました。

本当にそうだと思います。

ウィッグは実際に自分の頭につけてみないと、似合うかどうかも、自然になじむかどうかも分かりません。

しかも、一度買って失敗すると「やっぱりウィッグってダメだわ」と思ってしまう方もいらっしゃいます。

これが私はとてももったいないと思うんです。

ウィッグそのものが悪いのではなく、その人に合ったものを選べていなかっただけかもしれないのに。

だから私は、購入する前にいろいろ試着して、納得してから決めてほしいと思っています。

ウィッグは買って終わりではありません

もう一つ、私が大切にしていることがあります。

それは、ウィッグは買って終わりではないということです。

ウィッグを販売しているところはありますが、購入後のカットや調整まで対応できる人が見つからず、困っているお客様もいらっしゃいます。

実際に、購入した後に、

「自分の髪と合わせるために、美容室でカットしてもらってください」

と言われた方もいました。

ところが、相談先の美容師がウィッグに慣れておらず、カットしたことで余計に使いにくくなってしまったというお話も聞いています。

ウィッグのカットって、普通の髪を切るのとは違う部分があるんですよね。

地毛との長さや毛量、毛流れ、頭の形などを考えながら調整する必要があります。

そして、購入したときにはちょうど良いと思っていても、実際に生活の中で使うと、いろいろな問題が出てくることがあります。

例えば、下を向いたときにサイドの髪が重たく感じる。

前髪が少し長くて気になる。

普段の動作をしてみると、なんだかしっくりこない。

こういうことって、実際に使ってみないと分からないんです。

だから私は、気になるところが出てきたら、また相談していただいて少し調整します。

そして、もう一度使っていただいて感想を聞く。

そんなことを繰り返しながら、半年くらいかけて、その方が上手に使えるようになるまでお付き合いすることもあります。

もちろん、すべての方に半年かかるわけではありません。

でも、私はウィッグを売ることよりも、そのウィッグを日常生活で使えるようになることの方が大切だと思っているんです。

ウィッグがバレるのは恥ずかしいこと?

「ウィッグって、周りの人にバレませんか?」

これもよく聞かれる質問です。

確かに、明らかに自分の髪と合っていないウィッグをつけている人を見ると、

「あんなふうになりたくない」

と思ってしまうかもしれません。

でも、私はウィッグが不自然に見える原因の一つは、その人の髪型や毛量、色などに合っていないことだと思っています。

自分に合ったウィッグを選び、きちんと調整すれば、自然になじませられる場合も多いんです。

実際に私のお客様でも、ウィッグを使い始めたのに周りから何も言われなかったという方がいらっしゃいます。

「もしかして、みんな気を使って言わないだけなのかな?」

と思って、お友達に、

「実は私、ウィッグしてるんだけど分かった?」

と聞いてみたそうです。

すると、

「えー!全然気づかなかった!どこで買ったの?」

なんて言われたそうで、そのお友達を紹介してくださったこともあります。

旦那さんに気づかれなかったという方もいれば、

「髪型変えた?パーマかけた?」

と言われた方もいます。

もちろん、すべてのウィッグが絶対にバレないというわけではありません。

でも、自分の髪になじんでいると、周囲がウィッグだと気づかないこともあるんですよね。

それと、私は薄毛を隠すことが恥ずかしいとは思っていません。

例えば、体型が気になるから、少しゆったりした服を着ることってありますよね。

でも、そんな人を見て、

「あなた、太っているのを隠すためにその服を着ているんですね!」

なんて普通は言わないでしょう?(笑)

私はウィッグも同じだと思っています。

自分が気になるところを、洋服やメイク、髪型でカバーする。

それって普通のことじゃないでしょうか?

薄毛が気になるなら、ウィッグで補ってもいいと思うんです。

恥ずかしいことではなく、自分をきれいに見せるための一つの方法。

私はそう考えています。

最後に|まずは一度試着してみませんか?

私は、薄毛で悩んでいる方全員にウィッグを使ってほしいとは思っていません。

カットやスタイリングで十分にカバーできる方もいらっしゃいます。

ただ、毎朝トップのボリュームが出なくて悩んでいたり、分け目が気になって好きな髪型ができなかったりするのであれば、ウィッグという選択肢も知ってほしいんです。

実際に自分に合ったウィッグを試着されたお客様から、

「もっと早く相談していればよかった!」

と言われたことは何度もあります。

でも、試着したからといって必ず買う必要はありません。

一度試してみて、気に入らなければ買わなくてもいいんです。

そして、気に入ったとしても、すぐに決める必要はないと思っています。

何度か試着して、長さや毛量、着け心地を確認してから決めてもいいんです。

購入後も、実際に使いながら自分に合うように調整していく。

私は、そこまで含めてウィッグを選ぶことだと思っています。

ウィッグは薄毛を治すものではありません。でも、薄毛を気にせず好きな髪型を楽しむための選択肢にはなります。

まずは一度試してみて、それから考えてもいいんじゃないでしょうか。