「ウィッグを試着してみたいけど、買わないと帰れないんじゃないかな?」
そんな不安を感じたことはありませんか?
薄毛や髪のボリュームに悩んでいても、ウィッグサロンに入るのはなかなか勇気がいるものです。
しかも、販売員の方が親切に説明してくれたり、何種類も試着させてくれたりすると、なんとなく断りにくくなりますよね。
実は私、CMでもおなじみの大手ウィッグメーカーで約5年間、美容師として働いていました。
ウィッグの販売はもちろん、地毛に合わせたウィッグのカットや、お客様自身の髪のカットも担当していました。
そして当然ですが、ウィッグの営業もしていました。
今回は、そんな私が実際に経験した営業方法と、購入を勧められたときの上手な断り方をお話しします。
ウィッグ販売員も仕事です。購入を勧めるのには理由があります
少し販売する側のお話をします。
ウィッグを試着しに来られるお客様は、髪に何らかの悩みを抱えていることが多いんです。
そして、その悩みを解決するために購入を考えている方もいらっしゃいます。
販売する側としては、せっかく購入を検討しているお客様を逃したくありません。
だって、今日買わなかったら、ほかのお店で購入されるかもしれませんし、購入する気持ちがなくなってしまうかもしれませんからね。
営業職とはそういうものなんです。
昔から「鉄は熱いうちに打て」と言いますよね。
私自身は、ウィッグは安い買い物ではないので、できればじっくり考えて購入してほしいと思っていました。
でも、仕事となると話は別。
当時の私は、あの手この手でお客様に購入をおすすめしていました(笑)。
もちろん、すべてのウィッグ販売店が同じ営業をしているわけではありません。
ここからは、私が実際に経験したお話です。
「今日買えばお得ですよ」は本当にお得?
当時、私が営業でよく使っていた言葉があります。
「今日購入していただければ、すぐに髪のお悩みが解決しますよ」
「今日購入していただけたら、お値引きできますよ」
「今日購入しないと、このウィッグがなくなってしまうかもしれません」
などなど。
言っていましたね〜(笑)。
でも、実際にウィッグは何万円、ものによっては何十万円もする買い物です。
今日値引きされるからといって、自分に合っていなければ意味がありません。
例えば、洋服を買いに行ったとき。
試着して少し気に入ったけど、まだほかのお店も見てみたい。
そんなことってありますよね。
ウィッグも同じだと思うんです。
確かに、今買わなければ、その商品が売れてしまうこともあるかもしれません。
でも、だからといって焦って購入する必要はありません。
私は、納得できないまま購入して、後から使わなくなってしまう方がもったいないと思っています。
元販売員が教える、購入を勧められたときの断り方
では、実際に購入を勧められたら、どう断ればいいのでしょうか?
私が販売していた頃、これを言われると、なかなか購入をすすめられなくなる言葉がありました。
それが、
「大きな買い物なので、主人に相談しないと買えません」
という言葉です。
これを言われると、販売する側としても、その場で購入を決めてもらうのは難しくなります。
私も今でも、何か高い買い物をするときに、この言い方を使うことがあります(笑)。
ただ、もちろんご主人がいなくても、誰かに相談する必要がなくても、購入を断っていいんです。
例えば、
「今日は試着だけのつもりで来たので、購入は一度持ち帰って考えます」
これでも十分です。
それでも、
「いつご相談されますか?後日お電話してもよろしいですか?」
と聞かれる場合もあります。
そのときは、
「いろいろ比較してから決めたいので、購入する場合はこちらからご連絡します」
とはっきり伝えていいと思います。
大切なのは、曖昧に購入する可能性を残すのではなく、今日は買わないという意思を伝えることです。
試着させてもらったから、説明してもらったからといって、無理に購入する必要はないんですよ。
鏡の前で長時間試着すると、欲しくなることもある
これは私がウィッグメーカーで働いていた頃、先輩たちから教わった営業方法の一つです。
まず、お客様にウィッグを試着していただきます。
そして、ウィッグをつけたまま鏡の前でお話を続けるんです。
30分くらい試着した状態でお話ししていると、だんだんウィッグをつけた自分の姿に見慣れてくることがあります。
そして、ある程度見慣れた頃に、あえてウィッグを外します。
すると、鏡には元の自分の髪型が映ります。
それまでウィッグでカバーされていた部分が、再び気になることもあるんですよね。
そうなると、
「やっぱりウィッグがあった方がいいかも……」
と感じる方もいらっしゃいます。
これは当時、私が教わった販売方法です。
もちろん、試着して気に入ること自体は悪くありません。
ただ、鏡の前で見慣れたことと、実際に毎日使いやすいことは別なんです。
だから私は、ウィッグを試着してすごく気に入ったとしても、一度外して冷静に考えてほしいと思っています。
可能であれば、お店の許可を得て写真を撮ったり、商品の情報を控えたりして、いったん持ち帰って考えてみるのもいいと思います。
気持ちが盛り上がっているときほど、少し時間を置いてみる。
それも失敗しない買い物のためには大切なんですよね。
ウィッグは買うことより、使い続けられることが大切
私がその場での購入を積極的におすすめしないのには、もう一つ理由があります。
それは、納得せずに購入したウィッグは、結局使わなくなってしまう場合があるからです。
実際に、
「こんな高い買い物をするんじゃなかった」
「買ったけど自分の髪に合わない」
「誰に相談したらいいか分からない」
そんなお客様の相談を受けたことも何度もあります。
ウィッグは買って終わりではありません。
地毛と長さや毛量を合わせるカットが必要な場合もありますし、使っているうちに気になる部分が出てくることもあります。
例えば、下を向いたときにサイドの髪が重たく感じたり、前髪が長く感じたり。
そういった部分を少しずつ調整して、使いやすくしていくことも大切なんです。
私は、お客様によっては半年くらいかけて、使いながら調整を繰り返すこともあります。
だからこそ、購入するときには、販売してくれる人がその後もきちんと相談に乗ってくれるのかを確認してほしいと思っています。
値段だけでなく、購入後のフォローも大切なんですよね。
そもそも本当にウィッグが必要なのか、考えてみてほしい
私は、ウィッグを衝動買いすることがすべて悪いとは思いません。
一目見て気に入り、すぐに購入して満足する方もいらっしゃるでしょう。
でも、薄毛が気になるからといって、必ずウィッグが必要とは限らないんです。
例えば、トップのボリュームが気になる方でも、カットや分け目の変更だけで印象が変わる場合があります。
結んでいた髪を下ろせる長さにカットして、薄い部分が目立ちにくくなる方もいらっしゃいます。
まずは美容室で髪型を相談してみる。
それでも難しければ、ウィッグを試してみる。
私は、そんな順番でもいいと思っています。
大切なのはウィッグを買うことではなく、今抱えている悩みをどうしたら減らせるのかということ。
ウィッグは、そのための選択肢の一つなんです。
最後に|試着したからといって、買う必要はありません
私はウィッグを販売する側も、購入する側も経験してきました。
だからこそ、購入を迷っているお客様には、じっくり考えてほしいと思っています。
何万円、何十万円もする買い物なら、なおさらです。
今日買えば値引きされる。
今買わないとなくなるかもしれない。
そんな言葉を聞くと、焦ってしまうこともあると思います。
でも、自分が本当に気に入っているのか、毎日使えそうなのか、購入後も相談できるのか。
そこまで確認してから決めていいんです。
「今日は購入しません。必要になったらこちらから連絡します」
そう伝えることは、失礼なことではありません。
私は、ウィッグを購入して後悔したお客様を何度も見てきました。
だから、できればそんな思いをしてほしくないんです。
試着して、比べて、考える。
そして納得できたときに購入すればいい。
ウィッグは買うことが目的ではなく、使って悩みが減ることが目的なんですから。
私はそう考えています。

